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海外写真集・旅行記OVERSEAS TRIP





海外写真集アセアン諸国 > カンボジア

シェムリアップ (Siem Reap, Cambodia)


 カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)はアセアン10番目の加盟国として,近代化のスタートラインに立ったばかりの国。アンコール王朝でとして12,13世紀まで栄華を誇ったカンボジアであるが,その後長きに及ぶ暗黒時代,フランス領インドシナ時代を経て,第二次世界大戦で日本により占領。その後,独立を果たすが,冷戦の余波が及び内戦に突入。現在のカンボジアは1990年代になってやっと安定した。人口は約1500万人と周辺諸国に比べて極端に少なく,過去の暗黒の歴史を物語っている。

 シェムリアップは言わずと知れたカンボジアきっての観光都市。首都プノンペンより世界に名が通っている。あまりにも有名なアンコールワットがあるところ。2015年12月,私も遅ればせながら初渡航。主要な観光スポットを覗いてきた。


(2016年記)

シェムリアップ市内風景(Downtown Siem Reap)

シェムリアップ空港とカンボジア入国
シェムリアップの玄関(シェムリアップ国際空港)は,平屋建てであるが近代的な歴史的な建造物である。日本人はビザが必要であるが,到着時に取得することも可能である(アライバルビザ)。ただし,滞在時間を大切にする方は,事前にビザを取得して行くことをお勧めする。 
アンコール国立博物館
遺跡ツアーに出る前にここを訪れたほうが良いという説,遺跡観光の後で来ると良い説,行かなくてよい説がある。暑くないので体力を温存したいときに行けばよいと思う。ただし,入館料は(遺跡入場券とは)別料金。日本語の解説(イヤホン)があるので良い。
 
 
戦没者慰霊寺院
広大な土地に,ひと際立派なゆったりとした創りの建造物。ここは観光地でなく,激動の内戦で亡くなったカンボジア人の慰霊の場所。しかるに外国人観光客の姿はほぼ皆無。カンボジアの内戦を勉強するにはちょうどいいが,少々怖くなる場所。
 
北の将軍様肝いりのレストラン
共和国の外貨獲得のための「平壌友好レストラン」。従業員は共和国から派遣されている。カンボジアはインフラ投資を韓国に委ねており,出稼ぎ者が多いことから,このレストランは韓国人目当て。日本人なんか行っても相手にされないよ。
 
 
市内を流れるシェムリアップ川
街は川に沿って出来るもので,この街もこの川に沿って出来ている。さすが観光都市,目抜き通り周辺はきれいに整備してありました。
シェムリアップ川
生活排水が流れ込むので決して水質はきれいではない。携帯電話や自動車を教えると同時に,排水処理の技術も教えてあげて欲しい。
 
市内の様子
人口100万を軽く超えるシェムリアップであるが,車で走ると目抜き通りは10分かからずに抜ける。その後は,ジャングルの中の1本道状態となる。アスファルトの舗装は極めて限定的。観光地を抜けると赤土のデコボコ悪路となる。
カンボジアのガソリン事情
カンボジアでガソリンは貴重かつ高価である。普通に買うと日本以上に高い。ホントのスタンドに行くと,従業員3, 4名くらいが暇そうに仕事をしている。多くの方は,偽物(密輸品?,混ぜ物あり品?)のガソリンを売る店に行くという。
 
トゥクトゥク事情
普通車もあるが台数が限られており,多くの観光客はオートバイに客車を取り付けたトゥクトゥクを使う。1日チャーターしてもガソリン代に毛が生えたくらいの価格でお願いできる。ゆっくり走る(ゆっくりしか走れない)ので風景が飛ぶように過ぎていかないので快適である。さぞかし燃費が悪かろうと思う。ちなみにタイのトゥクトゥクが軽快に走れるのは排気量が小さいものでも350CCあるからである。

アンコール・ワット(Angkor Wat)


 アンコールワットは12世紀前半にヒンズー教の寺院として建造された。その後,仏教寺院として改修された。
 この建造物は単なる宗教施設でなく,要塞・城郭である。日本で例えるとお城もしくは城下町である。しかるに,カンボジア内戦時代はこのお寺に立てこもった一派もいる。外部は4方お堀に囲まれ,内部は3重の回廊となっている。
 1992年にはアンコール遺跡として世界遺産に登録された。

  
アンコールワットの環濠(お堀)
お堀は南北1.3キロメートル,東西1.5キロメートル,幅190メートルと言われている。
仏教建造物というより要塞である。
ナーガとシンハ
お堀には陸橋が架かり,その手前にナーガ(写真右)とシンハ(左)が見守る。サンスクリット語でナーガは蛇神,シンハは獅子。
 
西参道の陸橋を渡って周壁内へ
観光客は西参道からアクセスする。陸橋の向こうに周壁があり,西側周壁には3つの塔がある。この参道にはナーガの欄干があったとされるが,今は朽ちて面影もない。
周壁
お堀の内側は周壁で囲まれている。中央に王専用門。その左右に一般門がある。さらにこの両側に象の門と呼ばれるゾウが通るための門が2つある。
 
前庭越しのアンコールワット
周壁を抜けるとアンコールワットの中央祠堂が前庭越しに顔を出す。周壁の門から撮影。アンコールワット観光は,午後の訪問が順光となる。
聖池越しのアンコールワット
前庭をしばらく歩くと,聖池が見えてくる。このアングル,池越しのショットがアンコールワット撮影の定番である。水面に写る祠堂が美しい。
 
 
アンコールワットの内部へ
聖池を超えると第一回廊に当たる。アンコールワットは3重の回廊となっており,この中に,第二回廊,第三回廊(中央祠堂)がある。
第一回廊
これより先は,典型的アンコールワットの写真を撮影するという目的より,歴史や建造物に造形深い方が興味を発揮するエリア。先ずは第一回廊から。
 
第一回廊の彫刻
神聖な場所を取り囲む回廊は,東西南北のすべての面に宗教的彫刻が一面に施されている。
 
第一回廊の彫刻
残念ながら私は宗教画に造形があまりないので解説は控えるが,とにかく作業量が半端なく莫大である。
 
 
十字回廊の沐浴場
第一回廊の中に入ると,十字回廊を経て第二回廊に通じる。十字回廊には沐浴場(写真)があり,かつて参拝者はここで身を清めたとされる。
第二回廊
第二回廊はデバター(女官や踊り子たちを描いたレリーフ)と連子窓(れんじまど)が連なるところがハイライト。
 
第三回廊と中央祠堂
いよいよ中心部,第三回廊と中央祠堂に到達。第三回廊へは写真(右)の最大斜度70度の急な階段となる(昔の話)。今は,手すりのついた木製階段がかけられ,少々安全になっている。なぜ,こんな急な階段にしたのだろう。確かに,タイにも急な階段の寺院が多い。これには,限られた人のみ入ることができる(体力選別)説や,雨水を迅速に逃がす構造説等諸説あるが,私は,外観上の美しさを追求したらこの角度になっただけと思っている。あくまでも個人的見解。
 
   
第三回廊の入場制限
第三回廊から先は,カンボジア暦で定める仏日,その他国の行事がある日には入ることができない。行かれる方は,事前にチェックすることをお勧めする。
中央祠堂は神との交信場所
中央祠堂は神と交信した場所と信じられており,入場に細か制限がある。この中央祠堂の高さは何と65メートル。ビル20階以上の高さの建造物である。

アンコール・トム(Angkor Thom)


 アンコールトムはアンコールワットのすぐ北側(車で数分)に位置する。アンコールワットが12世紀前半に建造されたのに対し,アンコールトムは12世紀後半の建造物である。規模はアンコールワットよりはるかに大きく,堀の一辺は3キロに及び,正方形。5つの門が開いている。ここまで規模が大きくなると一つの街である。内部まで車でアクセスできるので観光しやすい(というか,広すぎて,また,暑すぎて歩けない)。アンコールトムの境内に,バイヨン,バプーオン,王宮跡等の見どころが散在する。とにかく広い。
  
南大門への橋
アンコールトムの内部へは南大門からアクセスする。写真の通り,この狭いゲートを,信号も警備員も要さず,交互通行する。 
南大門
アンコールトムへの入口(ゲート)は,南,北,西と東側に2つの門(勝利の門と死者の門)があったが,現在は唯一,南大門だけが残っているらしい。
 
アンコールトムへにかかる橋の欄干
欄干にはアスラ(阿修羅)が並ぶ。反対側の欄干にはナーガの綱引きがあしらわれている。
野生のサル
アンコールトムの内部には,野生のサルも訪れる。ニホンザルと違っておとなしい。写真奥はバイヨン。
 
 
バイヨン(Bayon)
バイヨンはアンコールトムの中心にある寺院。ここも,アンコールワット同様,最初はヒンズー教寺院として作られ,後に仏教寺院となった。
 
3層の回廊
アンコールワット同様,アンコールトムも3層の回廊方式で作られている。第一回廊は彫刻,第二回廊は観音菩薩像が描かれている。
 
 
バイヨンの観音菩薩像
この寺の特徴は,塔の壁面(4面)に彫られている菩薩像。無数にある。観世菩薩像を模しているというのが一般的な説(諸説あり)。
バイヨンの中央祠堂
バイヨン中央の祠堂の高さは43メートル。アンコールワットに比べ保存状態が良くないとされ,風化しているのが残念である。
 
祠堂と仏像
第二回廊内は迷路のよう。ぐるぐる回ると,自分がどこにいるのか分からなくなる。
塔の中(天井)
この様に石を積み上げただけの工法。ただ,精巧に組まれ,祠堂は積み上げられている。
 
 
バプーオン
バプーオン(Baphuon)は,アンコールトムの中,王宮に隣接して建てられている寺院。建造当初は,バイヨンより高い仏塔があったとされるが,今はその佇まいを残すのみ。
空中参道
バプーオンに通じる空中参道。参道から降りて撮影。本来は,この部分は水で満たされていたという。バプーオンはピラミッド型の
寺院である。 
 
ピミアナカス (Phimeanakas)
ピミアナカスも寺院。建造はこの周囲の寺院のなかで最も古く,10世紀頃とされている。これからすると,アンコールトムは元々あった何かに手を加えることで完成したものであるのではないか(出展なし)。
王宮の塔門
この一帯に王宮もあったが,現在は跡地で,塔門が残るのみ。この王宮周辺に,ピミアナカス寺院,バプーオン寺院,ゾウのテラス(後述)等があり,過去,この地がアンコールトムの中心であったことがうかがえる。
 
ゾウのテラス
このテラスは,当時の王が,凱旋する軍隊や軍事パレードを閲兵するため,また接見にも使われたらしい。ゾウの彫刻にちなんで後に名付けられた。本来は,この石でできた基礎の上に,木造の建造物があったとされる(暑いのであると考えるほうが妥当である)が,現在はその面影もなく消失している。

タ・プローム(Ta Prohm)


 タ・プローム寺院は,12世紀後期に建造された仏教寺院。元々,仏教寺院として建造されたため,仏教的な彫刻等が施されているとされる。ガジュマル(溶樹)により侵食が進み,寺院本来の部分を見学するというより,ジャングルに飲み込まれてしまった寺院としての見学となる。
 修復が進められているが,これらガジュマルの木々が建造物を支えているという部分が否めず,修復作業は進んでいない。ただ,建造当初は,侵食されることを想定していなかったはずで,本来の姿に戻すことが正解といえよう。ただ,そうなれば,ジャングルに飲み込まれた寺院という面白みに欠けることは確実である。

 
タプローム寺院
第一回廊。この辺りは保存状況が良いところ。普通の遺跡の範囲で説明がつく。
 
 
圧巻のジャングルに埋もれた寺院
第一回廊内に入るといきなり景観が変わる。ガジュマルの木が侵食し,遺跡が食いつぶされている。逆に遺跡に値打ちがでたという説もある。何れにせよ,歴史を感じるシーン。このシーンがこの寺院のハイライトである。タイにもこの手(木に侵食)の寺院は存在するが,ここは規模が違う。
 
仏教様式の彫刻
壁には仏教様式の彫刻がある。ただ,後にヒンズー教寺院に変更された際に,一部破壊された部分がある。
ガジュマルの木の下
修復中ということでなく,現状を維持するための工事と思われる。
 
破壊が進む内部
内部の保存状況は悪く,というか修復が進んでおらず,いたるところ石が崩れたままになっている。この崩れが別の趣をかもし出していることは否めない。アンコールワットとの対照的な姿が新鮮である。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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